2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

本のこと

鞄がたいらであること、たいらになってしまうこと、 わたしがそれに守られていること。 どんなに重くなってしまうとしても、鞄にいれておくことで救われるものがほんとうにあるのだと、強く強く実感した一年だった。

ブラインド

終わるんだな。今でも悲しくてただ悲しくて叫びだしたくなる時がある。 誰かに謝りながら眠る夜も、 そのひととすれ違って息をとめる瞬間も、 ぜんぶきらいだ。つらかった自分のために、 忘れてやろうなんて思わないけど、 ほんとうは、わたしが覚えていたい…

誕生日おめでとうの日

メリークリスマス。 ネットのおともだちとおしゃべりをして楽しい夜ふかしだった。あしたからまた駆け足だね。 きらきらしたものをちゃんと抱いていかなければ。 ひかりから鳥のかたちに戻ったらさよならをする約束だった

冬の切手の棚

わたしがそこに行けなくても、手紙は届くからすごいね。 元気ですって言って。 元気ですかって聞いて。返ってこなくてもいい言葉は、それでもすっくと立つ一輪花みたい。 星に指あるいは薪に降れる雪倒れることは抱きしめること

綿菓子の温度

ふるもっこ、という言葉、 たいそうよい表現だなと学生のころから思ってた。 なんだか白いプードルが浮かぶの。

きみの名前はすてき

末っ子の弟がかわいくて心配なので、 彼が大丈夫になるまでは死ねないなって思う。 しろしろしろ。おまえに雪の草はらを手に入れさせる。かみさまかみさま。

声ではわからない

ひさしぶりに風邪らしい風邪をひいて、喉がつぶれた。熱はない。ぬいぐるみと過ごす。 聖夜じゅう探すアパートきらきらのこの木がいいと赤子は指せり

野ざらしの自転車

森を思いだすようよ、と歌うように言う女の子のことを考えていて。 (こじかちゃんと呼んでいる) なんとなく、森のにおいは雪のにおいにとてもよく染みている気がした。 雪が降った日。

蝶と椅子

美術館の図書館にこもって、ひたすら蔵書をぱらぱら、気ままにめくる、そんなぜいたくな暮らしを少しの間でよいからしてみたい。この世界に美しいものがたくさんあるということ、美しいものを生みだせるという真実が、とても嬉しい。