2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

金色

『蜜蜂と遠雷』を読んだ。 これだけあつい本を読むのはひさしぶり。読もうと思えば、きっと時間はあったのだろうけれど、とても読む気力がなかったのだな。逃げたくて逃げたくて、いつも不安で大丈夫なことなんか全然なくて。読書がちゃんと楽しい。 楽しか…

クリスマス・ソング

今年はじめてのクリスマスソングを聴いた。 いっとう好きな季節がやってくる。祈りが祈りのまま、きれいごとがきれいごとのまま、ゆるしてもらえる季節。 はつゆきよ水仙の束くっきりと抱いてこの世の道はあかるく

白いかんむり

そこそこの雪国の子だからって雪の日も自転車に乗る能力をみんなが持っているわけではないのよ。

光の貸し借り

手当てされている、と思う。日々。 銀河鉄道に乗れないぼくたちは靴もとっくに流されていて

みぞれ

あしたは雪の予報。 耳当てとマフラーと手袋とコート、 完全防備の季節だよ。 しもやけの手にあってなお一匹の虫くりかえす雪の練習

ねこよ

アプリ「ねこあつめ」の平穏な世界が大好き。 つらいとき「ねこよ」と心のなかのねこに呼びかけるくせが抜けなくて、 最近はなんでもないときにも「ねこ」という単語が口を突いてでてくる。 差し入れる手、手紙、葉書、ポストには幾百のあじさいのてざわり

街の名前で呼ばれる

日曜日のシン・ゴジラ、おもしろかったな。 またみたいな。 これって夢 ゆめじゃないの どの町もわたしを転校生って言って

天井の蜘蛛

右手で左手を、あるいは左手で右手を、 握る、というか、包むようにあたためる。 だいじょうぶ、と言う。 ほどかれるリボンと同じスピードでその火と日々をはるかに消せり

エッシャーの絵の国の女の子

『レモンケーキの独特なさびしさ/エイミー・ベンダー』を再読中。 たださびしくて泣いた小説ってあんまりない気がする。

駆けてくる白い犬

1週間、がんばりました。土日も出たし、そこそこ残業したけど、前の課で定時に帰ってたころよりもずっと気持ちが楽。 ひとつふたつみっつ、新しいことを覚えたので、来月はもうすこしうまくやっていけるはず。ちゃんと逃げだしてよかった。

へちかむ

今日はカレーだーとうきうきしながら帰路についたら、 お月さまがあんまり大きくて金色でびっくりした。おなかが空いていなかったら、月のほうへほうへと自転車をこいでいたと思う。 誤字だらけの手紙を抱いて雨の午後破ってもいい約束をする

わたしにとっての

絵を描いてもらえたら、 そのカンヴァスを枕にして眠ろうと思う。 射ち砕け翡翠、どうしてわたくしはわたくしでないものになれない

花瓶に花、本棚に本

近所の図書館は夜8時くらいまで開いてるので、 仕事帰りに寄れてありがたい。 今日は休館日だったようで、あかりの消えた図書館をひさびさに見た。死んだら本になりたい。 本は読まれなくてもさびしがったりしないから。と、女の子が言う短編小説を思い出す…